試合出場は必要ではありませんし、出場するよう強制することもありません。
トライフォース五反田の会員のうち、試合に出場したことがある方は、全体の約40%です。年に1回以上定期的に出ている方は、30%に満たないです。
7割の方々は、道場での練習のみで柔術を楽しんでいます。
・持病や古傷がある
・仕事や家庭の都合で、試合が開催される週末に時間を作れない
・勝負にこだわらずテクニックの習得を楽しみたい
・マイペースで練習したい
など出場しない理由は人それぞれのようです。
トライフォースでは、帯昇格のために、「経験」「技術」「実力」を見ます。
「実力」を、試合の成績で測る場合もありますが、絶対条件ではありません。試合に出ない方は道場の練習を見て帯昇格に必要な「実力」を判断します。
ただ、試合は成長のための課題を見つけるのに良い機会ですので、練習経験をある程度積んだ方に「出場してみては?」とお勧めしてはいます。
スパーリングはあくまで技を交換しあう場なので、やられても良いという気持ちで行います。
試合は1回勝負、全力で勝負にこだわって戦う場です。練習とは比べ物にならないくらい必死になります。
一度試合に出場して、フルパワーで、諦めずに戦う相手を経験すると、その後はそういう相手にも通じる精度の高い技を求めるようになり、おのずと成長できるのです。
もちろん、それでも出たくない方は出なくて全く問題はありません!
僕自身は練習や試合でのダメージの蓄積で約10年前に大怪我をして以来、試合に出場していません(大怪我と書きましたが、僕の場合は総合格闘技のプロ選手でしたし、まだ練習方法やテクニック体系が確立されていない第一世代だったため、何もわからず体に無茶をしすぎていました。普通に練習をしていればそのような大怪我の心配はいりません)。
それでも軽いスパーリングをしたり、新しいテクニックを学ぶことで十分柔術を楽しんでいます。
ケガを押して試合に出るリスクがわかっているので、会員さんに試合出場を強制しようとも思いません。
週末は、柔術以外の趣味を楽しむ方もいれば、家族と過ごすことを優先する方もいます。お子さんが小さい方は特にそうです。
この場合は、お子さんが大きくなったり、ほかの趣味が少し落ち着けば、週末に時間ができて試合に出られるようになるかも知れません。
ライフステージによって柔術との付き合い方は変わります。
入会当初は「試合はいいです」と言っていた方が、何年か経って自分から「試合に出てみたいです」と伝えてくることもあり「試合は出たい方が出たい時に出るもの」といつも思います。
ブラジリアン柔術は格闘技ですが、寝っ転がって戦うため、他の格闘技に比べてユルイところがあります。
「ロール Rollする」という言葉で表される通り、ゴロゴロ転がってるだけで楽しいです。
多種多様なテクニックがあるので、それらを学ぶだけでも楽しいし、スパーリングでテクニックを交換しあうのも楽しみの一つです。
道場でのスパーリングは、1ラウンドを5分に設定して行うことが多いです。
30歳以上の年齢カテゴリーの試合時間5分を想定してのことです(中年会員が多いので)。
試合に出ることになると、練習でも当然その時間内で優劣をつけようとします。
ですが、セルフディフェンスとしての柔術は、自分より体格や体力に勝る相手との戦いを想定して、やられないことを最優先に、ゆっくり時間をかけて相手を制圧するというコンセプトを持ちます。
つまり試合に出ることで学べることは多いのですが、見落としてしまうことも多いのです。
試合出場は好みですので、絶対に試合に出なければと思わないで大丈夫です。
中山