改定版 膝のケガ予防 解剖学の予備知識 意識付け

今回は膝のケガ予防について書こうと思います。

膝のケガにもたくさんありますが、主として内側側副靭帯と外側側副靭帯のケガ予防について取り上げます。

また、ケガをしてしまう理由はいくつもありますが、大きな要因を以下の2つに絞って対策を立てていくことにします。

1.体の正しい動かし方を知らないこと   2.筋力不足

まず始めに①意識付け、次に②筋力アップ、の方法を紹介します。

上の図を見るとよくわかりますし、膝関節は一つの平面上で曲げ伸ばしのみをするように、

専門用語で言うと矢状面(しじょうめん)の上での屈伸だけです。

遊びがあるので、捻れたり(水平面上の動き)、横に反ったり(前額面上の動き)もしますが、

矢状面上での曲げ伸ばし以外の動きをすると膝関節の両側にある側副靭帯を伸ばしてしまいます。

靭帯は筋肉と違って伸縮性があまり無いので、そこを急激に大きな力で無理に伸ばそうとすると傷ついてしまいます。

始めに立っている時の膝の捻れ、僕がよく言っている「knee-in, toe-out」について見てみます。

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つま先は正面を向き、膝が内側に向けられています。この形にならないよう、

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つま先が正面を向いたら、膝も正面を向けるように意識します。

実際の方法を見ていきます。

相手に右足へのデラヒーバガードをされている時に、右足でピボットをし、右のクロスニーパスに行く時を例に説明します。

先ず間違った形。

相手にデラヒーバガードをされて右足の踵が固定されていると、ピボットする時にknee-in, toe-outが発生し易いです。

またクロスニーパスの時も足をそのままにして、膝を内側に捻りいれると、

これもknee-in, toe-outが生じ易いです。

次に上の状態を避けるための動き方です。

ピボットする時は膝・つま先の向きがずれないように、膝を外に張る意識を持ち固定します。

右股関節を軸に骨盤を左後ろに捻ることで左足をバックステップさせます。

クロスニーは右足首を伸ばしマットから足裏を離して行います。

足がマットや相手のハーフガードの挟みに固定されて引っかかってしまい、

膝から下が捻れないようにするためです。

これらを意識して動くようにするだけで、内側側副靭帯のケガがかなり予防出来ると思います。

次回は、頭では意識できても、実際にこの動きができない方のためのトレーニングを紹介します。

中山